2017年1月9日月曜日

【局めぐり記】 上州水上から前橋市内へ


この局めぐり記は11月4日に群馬県内をまわったときの記録です。

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前日は長野県の伊那盆地の方からひたすら夜中に北上を続けて山中盆地というところまで辿り着き仮眠を取った。ここは長野県上田市から群馬県沼田市に抜ける道路の途上にあって、山の中に小さな庭のような盆地が広がっている。

今回群馬県を選んだのにはいろいろと理由があるが、それは郵便局を回るのとははあまり関係がなくて、詳しくはまた機会があったら書こうと思うが、とにかくせっかくの休みなので遠出することにしたのだった。



山中盆地から沼田方面へ駆け下りていく道の途中に広がるのはリンゴ畑と段々畑。
この日は一日中、ずっと快晴で絶好の局めぐり日和となった。


沼田のあたりではそうでもなかったが、湯桧曽から藤原方面の道路をあがっていくと山はすっかり紅葉が始まっていた。

本日1局目となる水上藤原郵便局には8:45頃に到着した。
普段あまりにも朝の動きがトロいので、9:00に間に合うことはほとんど無いので奇跡といえる。
それで、少し余裕があるので郵便局から坂道を登っていった先、雲越家住宅のある辺りまで行って、ポストの撮影をしてから再び郵便局のある所まで戻ってきた。



1局目 水上藤原郵便局
群馬県の北の、どんづまりのような集落にあるわりに局舎の風情は特にない。
郵便局としてはけっこう歴史があると思ったが、開局は昭和13年だと町史には書いてあった。
ここからさっきやって来た道を引き返して湯檜曽(ゆびそ)局へと向かう。距離は2局目にして13キロもある。


2局目 湯檜曽郵便局
上越線の湯檜曽駅のすぐそばにあって大変わかりやすい立地になっている。
ここは地名のさすとおり温泉のある町だが、郵便局はその温泉街よりも下手に存在しているため、あまりそういった雰囲気は感じられなかった。かつての郵便局はその温泉街の方にあったらしい。しかし、あとでストリートビューで見た感じでは建物は残っていないし、町並みもけっこう寂れた感じがした。


ちなみにこれが郵便局のすぐそばにある湯桧曽駅である。
建物が便所みたいなものしかなくて、たいへん心細い駅になってしまった。
かつては土合駅と同じような大きな切妻のコンクリート製局舎があったらしいが既にその面影は無かった。この駅もかつてはもう少し上流の方にあり、しかもかなりの高所に立地していたらしい。くわしいルポが紹介されているので興味がある人は見られたし。
廃駅のホームに至る長大な漆黒の回廊は奇跡的にかつてのホーム跡へと繋がっているとのこと。





3局目 水上駅前簡易郵便局
駅前局と名乗りながらぜんぜん駅前じゃない郵便局が多い中で、これは本物の駅前局といえる。
水上駅の駅前はかなりゆったりとしていて車を駐めるのにも苦労しない。
郵便局は潰れているように見えるヤマザキショップのとなりにある。外観からだとわからないが、局内にはいると非常に年季の入った内装になっていて感激する。特に窓口脇にある募金箱は一体いつの時代からぶら下がっているのかというぐらいに手垢の付いたものだった。


駅前局から温泉街の中にある水上局に寄り、次は上牧局と順調に進んでいく、途中の道路添いには懐かしい感じのする上牧郵便局の旧局舎か残っている。
これはたまたま朝に前を通りがかったら見つかったものだった。昔の郵便局というのは車通りの激しい道路の脇に、全くの駐車スペースの余裕もないような形で建てられていて、撮影には一苦労する。

上牧郵便局を出たところで時刻は10:07となっていた。
 ここから月夜野郵便局まで、かなりの距離のあいだ郵便局が無いが、ここではさらに月夜野局はパスして猿ヶ京方面を先に攻略することにする。月夜野局は道路の構造的にあとで寄った方がよいと判断したからだ。



6局目 布施郵便局
利権のニオイがぷんぷんする上越新幹線・上毛高原駅のそばを通り過ぎると、ここからぐるっと北へ進路を取って三国峠方面に向かう道へ入る。
このルートはかつて上杉謙信が例年の関東に越冬するためにやってくるときに使っていたルートで、高速料金をケチって新潟方面に行くのなら、こちらの道を通ることになる。
自治体は1局目からここまでずっと 「みなかみ町」 になっているが、かつては新治村という名前の村だった。この新治は 「にいはる」 と読む。茨城にあった新治村は 「にいはり」 だ。関東の地理に弱いので、この2つをずっと混同してしまっていた。改めて調べてまた一つ賢くなった。


 7局目 猿ケ京郵便局
 「猿ヶ京」ではなくて「猿ケ京」と表記する。ところが局名のハンコは「ヶ」になっている。
まぁ、あまり深く考えても仕方がないが、どちらかに統一して欲しい。
こちらはダム湖と温泉のある風光明媚なところで、このときはちょうど紅葉のシーズンだったので、景色も素晴らしかったが、残念なことに車を駐めて景色を眺めるようなスポットは存在しなかった。ただひたすらカーブの道が続いているだけで、新潟方面に抜けるトラックなどが猛スピードで走り抜けるだけの集落になってしまっている。
この先、三国峠にさしかかる谷の奥深くに法師温泉という一軒宿の温泉があるが、この温泉は現在でも混浴の大浴場という古き良き湯治場の伝統を守り抜く素晴らしいところだと聞いている。
ただ、立ち寄り湯の営業は昼からなので今回の旅では行くことはできなかった。


9局目 後閑(ごかん)駅前簡易郵便局
こちらも駅前といえば駅前。すごく近くにあるのに初見では全く見つからない立地となっている。
写真は前年に撮ったもので雨に濡れている。
建物がどう見ても特定局風なので、元は特定局なのかと思ったが別にそうではないらしい。しかし、中に入ると、また驚いたことにATMが設置されている。
簡易郵便局でATMがあるのは大変珍しいから、本当に普通の郵便局のように見えてしまう。



11局目 薄根(うすね)郵便局
この局から沼田市。局の訪問が済んだ時点で11時27分となっている。
ここから沼田の市街地を横断して反対側の谷を下りるところまでひたすら7.5kmを移動する。
沼田は前年に片品村方面に抜けたときにほぼ訪問済みのため、市街地は寄る所などなかったのだ。そしてこの街は恐ろしいほど切り立った崖を超絶ヘアピンカーブで登り切ったところに存在する。ただ市街地を横切るだけで峠を越えているような気分になる。
次の沼田上久屋局まで結局20分かかってたどり着いた。


14局目 久呂保(くろほ)郵便局
昭和村という村の一角にあるちょっとメルヘンチックな外観の郵便局。
いちおう集配局をやっているが、パッと見は分からなかった。
局内にアフラックのアヒルのどでかいぬいぐるみが鎮座していて、子供が跨って座れるようになっている。(大人も跨れるくらいに大きい)



15局目 赤城原簡易郵便局
標高622M。前の局の久呂保が標高342Mなので一局で300M近く登ってきたことになる。
ここまでの道のりはほとんど一直線で、周囲に何もないのでまるで北海道を走っているような気分にさせられる。郵便局は広い広場の一角の集会所施設に同居しており、広場の片隅には開拓記念碑が建てられていた。


16局目 追分簡易郵便局
追分というと街道の分かれ目をさす地名だが、ここは一体なんの分かれ道となるのか。
赤城山麓の広大な畑の中を進んでいくとすぐに着くはずだったが、思わず通り過ぎてしまい引き返した。googlemapが表示している郵便局の位置はなぜかズレている。
ここも赤城原と同様に、広場の奥の方に集会施設と並んで建っている。

郵便局の前には集配車が駐まっていて、局内には集配員さんがいた。
局内の雰囲気から見て農協の購買部か生協であったように見える。かなり年季が入っている。
なにより表に掲げられている局の看板が手書きなのが素晴らしい。


17局目 南雲(なぐも)簡易郵便局
追分から南雲まで約12キロ。赤城山の中腹を縫うようにクネクネとして道が続いている。
計画段階では、このルートはよく地図を見ていないと変な道に紛れ込んでしまうのではないかと心配していたが、実際に通ると何も考えなくても道なりに行けば南雲まで辿り着くことができる。
ここから渋川市に入り、川沿いの南雲集落に出た。
郵便局は若い女性がやっていて、通帳を見て追分からやってきたことを知ると、「あそこの局長さんよくしゃべるでしょー」 と言ってきた。いや、自分が行ったときは終始物静かなご婦人でありましたが。
そして何気なく局内を見渡すと記入台の上に懐かしい感じのマッチ箱がどっさりとある。このリスのマスコットは「ユウちゃん」という名称で昭和37年からバブルの時代くらいまで使われていたが、このユルい感じのフォルムはまさしく初代のデザインではないだろうか。
倉庫から大量に出てきたのでこうやって局内に出して配っているらしい。
いまどきマッチなんて必要とする人がどれだけいるのだろうか。「全国20000局」 というあたりも時代を感じさせる。

さて、ここで予期せぬ事態というか、当初から分かっていた事態だが、ガソリンが尽きかけてきた。実は赤城原のあたりからすでにヤバくなっていたけども、まわりにガソリンスタンドなんて見当たらないのでじっと堪えてここまで来ていたのだった。郵便局の人の話では、敷島駅の駅前にスタンドがあるという話なのでさっそく向かうことにする。結局のところ、駅に向かう手前で個人商店みたいな小さなスタンドがあったので入れることはできたのだけれども、昭和村方面の人はガソリンを給油するにもこんなところまで出てこないといけないと考えるといろいろ大変だと思う。


19局目 赤城三原田郵便局
赤城山の麓まで下りてきて、また山の中腹まで登っていくというコースになってしまっているが、この辺りは郵便局の所在が離れているのでどうしようもなかった。
三原田まで登っていく道路は2つあるが、自分は林道みたいな狭苦しい道路を選んでしまい、けっこう苦労してここまで登った。おそらく一本北の道路を選んでいればもっと楽だったかもしれない。
この郵便局、局舎の正面を赤いペン先みたいなデザインのポーチで覆っていて、派手な印象ではあるけども、印象に残る建物であった。


28局目 前橋住吉郵便局
三原田から先はだんだんと街に近づいてきて群馬の県庁所在地である前橋市に入ることになる。すでに30局を目前にしてあとは局数を稼ぐばかりという消化試合の様相を呈してきた。
それにしても前橋市内は道路がきちんと整備されていて東西南北の行き来がとても楽だ。だいたいの県庁所在地は古い城下町の街割と、そこらじゅうにある水路、不良住宅群、再開発が頓挫したままの地区などでマトモな道路なんてほとんどないので各所で渋滞が発生するのである。
前橋は、そういう意味ではマイカーで動くには快適な街であることがわかった。
(ただし、前橋市はもともと交通事故が多い群馬県下においてもダントツの交通事故発生件数を誇っており・・・、つまり、とても危険な土地なのである)

さて、どの郵便局も駐車場が用意されているので、あまり困ることはなかったが、この郵便局だけはどこに駐車場があるのか分からなくて、電話を入れて聞き出した。
郵便局の南にある花屋さん横の路地を入ったところに共同で借りてるという話だったが、どこに駐めていいのかは結局よくわからなかった。
ここは歩道も広いので局の前に横付けした方が話が早かった。



32局目 群馬県庁内郵便局
県庁とか市役所の中に入っている郵便局は苦手である。
何がいやかというと建物が大きすぎてどこが駐車場の入口かわからないからである。
群馬県庁は、敷地内に古い建物 (昭和庁舎) と県警本部が並ぶように建っている。自分は最初勘違いして昭和庁舎を県庁だと思って、そっちに車を寄せてしまったが、ここはただのロータリーみたいになっていて、駐車場の入口は存在しない。

とりあえず車を端っこに寄せておいて庁舎の中に入ったが、入口も薄暗いし、守衛も案内係もいないもんだから、この県庁はなんてやる気がないのかと思ってしまったのだ。

この昭和庁舎というのは、おそらく役所つながりの社団法人やら福利関係の事務所が入居している建物で、たまたま入った事務所の人が、「ここは県庁じゃないですよ、郵便局は南隣の建物の地下ですよ」 と教えてくださった。なお、事務所には自分と同じく、県庁と間違えて闖入してしまった先客がいた。

県庁への正しいルートは県庁敷地の南寄り、写真にある2つの建物の中間を進んでいくと奥に駐車場の入口が左右にあるので右に入る。そこで駐車券を取って建物内に入るが、また少し進むと出口になって駐車券を回収される。(この辺りの流れが意味不明でだんだん不安になってきた。さっき立体駐車場に一瞬入ったのはなんだったのか・・・)
するとそこには昭和庁舎の裏庭のような空間になっていて50台くらい駐められるようになっている。ここに車を置いて県庁本館 (写真では右にあるやつ) に入り、地下にある郵便局に辿り着くことができる。
ちなみに、さっきのやりとりで駐車券を奪われているので、駐車場を出るときどうするんだと不安で堪らなかったが出口のバーは問題なく開いた。つまり何の手続きもしなくても無料であった。

この日、16:00までの残り時間に2局行って、さらに16:00以降も営業している前橋中央郵便局に行ったので全部で35局もまわってしまった。
とくに15:00からの1時間で6局も回っており、かなりハイペースで回っていたらしい。

さて、このあとは前橋市内の古書店やら道具屋なんかを見て回ったがそれはまた別の機会に。
群馬はこれからも何度も来る機会があるのでゆっくり消化していきたい。



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