2017年4月10日月曜日

【局めぐり記】 吉野川市中流から鳴門へ下る旅

http://postal.kiramori.net/visited_daily.php?dt=2017-03-07

小豆島から高松に渡った次の日は、徳島県の吉野川流域に場所を移して郵便局を回りました。

吉野川の上流域は2010年に2日間かけてざっくりと回りましたが、今回は7年ぶりにその続きを行くことになります。
この日は最終的に38局という途轍もない局数を訪問していますが、2010年のときも東祖谷村の一番奥から出発してつるぎ町にまで達するコースで35局。翌日は木屋平から徳島市内まで行って38局という具合に、かなりの局数を行くことができます。
それもこれも道路事情がよいというより、あまり車通りが多くないという徳島の特徴ゆえかもしれません。

1局目 東山郵便局
徳島県内には東山と名の付く郵便局が2つあって、一つは三好東山局と、この東山局です。
どちらもかなりの山奥にあるので、いつ無くなってもおかしくないなと思わせてくれます。

この集落は通りに沿って20軒ほどが建ち並ぶ寂しい所ですが、旅館がありました。
四国八十八カ所12番である焼山寺 (しょうさんじ) は遥か南の山の中にあり、序盤の難所になっているのですが、鴨島にある11番札所から焼山寺に向かう道の中間にこの集落が位置していることになります。なので、こういう山奥の寂しい集落にも旅人がやってくるのです。

郵便局は川の横にへばりつくようにあり、辛うじて車一台が駐められるようになっています。

http://postal.kiramori.net/routemaker_map.php?id=21&zoom=13&nl=34.03778196452832&el=134.2879035858154

今回の序盤戦は、東山をスタートして、西にぐるっと回り込む形で山間部をクリアし、吉野川沿線を徳島市方面(右側)へと向かっていくコースとなります。

3局目 久宗郵便局
2012年に移転したため新しいタイプの局舎になっています。
それまでは戦前に作られたのではないかという古めかしい木造局舎で営業していました。
今、その建物がないかと探してみたのですが、あったはずの場所にはもう何も残っていませんでした。(下の写真)


近くにはふいご温泉という入浴施設がある久宗地区。
この温泉はもともと銅山だったところから湧き出てきた温泉で、鉱山が廃鉱になったあとも温泉は滾々と湧き続けています。緑バン鉄泉という珍しいタイプのお湯で、550円で22時という遅い時間まで入れるのでけっこうおすすめです。

5局目 山川郵便局
小規模な集配局といった感じの郵便局で特に特徴はないのですが、ここに辿り着くまでの道がけっこうわかりにくいので気をつけてください。
郵便局を北へ抜けると踏切でJRを渡れるように見えますが、車の進入できない極小の踏切しかなくて、線路を越えるためには西側の道路から遠回りするしかありません。
進入する道路もギリギリの幅なのに、郵便局に出入りする車が次々に反対側からやってくるので大変な場所でした。

6局目 山瀬郵便局
現局すぐそばに洋館風の古い木造建物があり、元郵便局なのかのかもしれないと思いつつ、実は村役場の跡かもしれない (実はよくあるパターン) と思って、いちおう局員さんに確認をとったところ確かに郵便局だった建物だそうです。
それどころかわりと近年まで現役だったということで、壁面には当時の営業案内の看板がまだ遺っていました。

こちらのサイトによると大正2年築造で平成6年まで使われたそうです。
(郵便局の人もちゃんと答えられなかった情報で、よく調べられています・・・)

瀟洒な洋風建築のように見えて、頭上には入母屋風の屋根を頂いており、頂点にはズッシリとした鬼瓦が据えてある部分だけ見ると完全に和風建築。
出入口にポーチ (突き出た庇の部分) があるという形式は徳島県内の古い郵便局でわりとみかけますが、この造りは郵便局というよりも医院や役所を思わせます。

残念ながら扉がサッシの安っぽいものになってしまっていて残念。
おそらくかつては観音開きの重厚な扉があったのだろうと思います。

7局目 学 (がく) 郵便局
平成11年まで 「学島」 という名前でしたが、「学」 の一文字に改められました。


そして、こちらが近くにある学駅です。
明治時代に開業した頃から「学」だったので、郵便局の方が駅名にあわせた形になっています。
ここは入学祈願の切符が昔から有名で、郵便局も同じ恩恵にあやりたかったのかもわかりません。
(余談ですが、紀州鉄道の学門駅もこの辺の下心あって名前を変えたんじゃないかと思います)

ホームには桃か何かの花が咲いていました。
ちなみに、駅に来たのはトイレが目的でしたが、無人駅になって取り壊されたのか、どこにも見つかりませんでした。

駅に書かれている駅名の由緒です。

19局目 徳島庄町郵便局
いきなり局数が飛んでいますが、途中の郵便局が気持ちいいくらいスムーズに事が進みすぎたので特に書くこともなかったです。

この郵便局は旧街道沿いにある郵便局で、写真でも分かるとおり奥に細長い構造をしていますが、間口が狭すぎるせいでキャッシュコーナーの増設ができなかったらしく、入口を入ったすぐの空間に無理やりATMを置いて対応しています。ちょうど公衆便所の入口が狭い曲がり角になっているような感じです。
出入口が窮屈だと強盗が入りにくそうですね。

22局目 徳島入田郵便局
「いりた」 ではなく 「にゅうた」 と読むそうです。
徳島市の外れにある郵便局ですが、建物がヨットをイメージしたと思われる奇抜な屋根になっていて面白いです。

27局目 徳島かごや町郵便局

この郵便局は商店街の中にあるので自動車で横付けすることができません。
しょうがないので、商店街の横手にある道路上に駐めて訪れました。

しかし、郵便局で待っている間、車が2台ほど通りすぎるのを見たので、実はあまり守られてないのかもしれません。
(朝の10時まで通行可能で、それを過ぎると通行禁止です)


商店街の横断幕によると日曜祝日は駐車場が1時間無料とのこと。
郵便局を回る者にとってはあまり意味のない情報かもしれませんが・・・。

それにしても、下に書いてある 「街まで遊びにいけへんでぇ」 とはどういう意味なのか。
普通の関西弁でいえば 「遊びに行けない」 という意味に取れますが、そんなことをわざわざ書くのも変ですよね。ここで言うところの「街」 というのがどこのことを言っているのかにもよりますが、駐車場がタダになるから街に遊びに行けるという意味でないとしっくり来ません。


29局目 徳島昭和郵便局
徳島県庁の向かいにあります。
駐車場は局舎の左側を指定されていて、そこは近くのホテルのお客様用駐車場と書かれていますが、局の営業時間中はそこに駐めて良いというようなことが、局の入り口の所に書いてありました。

昭和郵便局の向かいには県警本部があり、その横には県庁があります。
県庁の中にはまた別の郵便局があるので、ここだけ郵便局密度が異常に高くなっています。
目と鼻の先というのがこれほどまでにピッタリなこともなので、歩いて行くことにしました。

 
 【参考】 徳島県庁付近の地図

駐車場を横切って進むと県庁の壁面が続いているところに出ます。
郵便局は写真奥のポストが立っている位置から入ればすぐであるということにあとで気がつきましたが、 この時は遠回りして正面玄関から入りました。
ポストの位置まで自動車が入ってきているので、入口の所まで車で乗り込んできても大丈夫かのように見えますが、付近には警備員が立っているので車を駐めていたら何やか言われると思います。

30局目 徳島県庁内郵便局

ここから徳島市街を離れて鳴門方面に向かいます。 

 
33局目 長原簡易郵便局
松茂町に入り、松茂郵便局から海の方に向かって3km進むとあります。
元は商店だったと思いますが、今はガランとした感じになっていて今は郵便局一筋。
裏には長原小学校の小さなプールがあります。

次の郵便局までは来た道を引き返した方が早いのですが、ここはあえて海岸沿いを北に進み徳島空港の滑走路の下をくぐるコースを進みます。
こうして見ると徳島空港は市街からわりと近い所にありますね。航空基地と共用になっているあたり、石川の小松空港みたいな雰囲気があります。

33局目 矢倉 (やくら) 簡易郵便局
国道沿いにあるのかと思いきや、一本東側に入り込んでます。
南側から来ると辛うじて見えますが、北から来るとどこから入っていいのか見当がつきません。
薄暗い局内から出ると時間は15時23分。
あと30分余りしかありませんが、まだまだ局数が稼げます。

 
34局目 恵美寿簡易郵便局
長原と同じく海沿いの集落にある簡易局。
完全に個人宅という佇まいで味わい深い。

37局目 鳴門斎田郵便局
岡崎局を出た時点で残り10分となり、鳴門局と斎田局の2局行けるんではないかと期待がでてきたので、車を走らすも全ての信号に引っかかってしまいました。
途中に鳴門局がありますが、大きな郵便局は待ちされるという経験則から、こちらの郵便局を先に訪問することに。
結果、なんとか時間内に収まりました。

実は思ったほど混んでなかった鳴門郵便局。
局内も駐車場も狭くて、ちょっとした集配局程度の大きさしかありません。

この日はここで終了。
鳴門北ICから西淡三原ICまで高速を使い、そこからひたすら県道を走破して、淡路ICでまた高速に乗るというセコい方法で帰りました。おかげさまで夜の10時に天理に着くまで一度も休憩なしで走り続けることになりました。


ここで各局の所要時間です。

今回は全部で38局となかなか凄い量の局数になりましたが特に最後の1時間は8局という記録的な局数を稼いでいたということに後で驚きました。
途中あまりにスムーズに進んだので印象が薄い感じになりましたが、結論としては徳島県の郵便局はスムーズに回れて気持ちよいぞということだけ申し上げておきます。

この日の通帳画像です


牛島局のハンコに書かれている絵はウシ・・・でしょうか。
若干キュビズムの入ったウシに見えます。


松茂局のコレは空港の飛行機と松並木だと思います。

そして鳴門斎田局のコレは魚と渦潮ですかね。
渦潮が洗面器のように見えますが。

どれもこれも想像力を膨らましてみないとわからないので面白いです。

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