2018年8月11日土曜日

加計呂麻島・請島・与路島チャーターツアー募集



◆ 今年の離島郵便局めぐりイベントは秋もあります!

今年5月に香川県の離島めぐりツアーを開催したばかりですが、秋にも別のツアーイベントを開催することとなりました。
今回は奄美大島の南部に浮かぶ加計呂麻島と請島、与路島の3島をメインにした奄美大島縦断コースです。船と車の2つの乗り物を使い、奄美周辺でも回るのが大変な請島・与路島をカバーする旅。興味がある方はぜひこの機会にご参加下さい。


◆ 今年がまさに旬の奄美大島

本来なら来春にするべきところをなぜ今年にやるのか?

それはちょうどスカイマークが今年の8月から「中部国際-鹿児島」と「鹿児島-奄美」の2つのルートで就航させるので、この機会を逃してはならないという事情があります。

主催者が中部国際空港使うからという個人的な事情とはいえ、鹿児島-奄美も就航するので東京からも関西からもわりと手軽な費用でアクセスできるようになったと思います。

今年は大河ドラマで西郷隆盛の物語が放映中で、西郷が島流しにあった奄美の島々がにわかに脚光を浴びている中、観光についてもまさに旬という感じのエリアだと思います。

郵便局めぐり的な見地から見てみますと、奄美は年々人口減少が進行し、とくに瀬戸内町は過疎化が深刻なのですが、住民の少ない地域にも郵便局はしっかりと根を張ったネットワークを形成しているのか、これがなかなか廃止されることがないという不思議なエリアです。特に今回訪れる与路島は人口80人余り、請島は約100人しかいないのに直営という状態で、集配機能も失われた今、いつ廃止になってもおかしくないという状況です。

【参考】 瀬戸内町周辺の郵便局マップ
https://r3.quicca.com/~postal/areamap_main.php?nl=28.0311153&el=129.2341031&maptype=c&route=1



移動に困難を極める定期船 「せとなみ」 のダイヤ

古仁屋港からは加計呂麻島に向かう船のほかに請島・与路島に向かうフェリーが別で出ており、この船は 「せとなみ」 と呼ばれています。

「せとなみ」の運行は全国の連絡船でも大変珍しい、日によってダイヤが変わるという仕様で、平日が2便、土日が3便と、本数すらも変化するという難解ぶり。
いちばん厄介なのは、平日は早朝の便で島に渡るとその日のうちに古仁屋に戻ることができないというとんでもないダイヤ構成です。  



月曜日のダイヤ

火曜~金曜日までのダイヤ

「せとなみ」 の運航ダイヤグラムは観光客には理解困難な中身なのでわかりやすく図にしてみました。

月曜日の2便は与路で泊まってしまうため、古仁屋に戻ることができない恐ろしいダイヤ。
そして火曜日は早朝から与路を出発するも2便はまたしても与路島泊まりのため、外部から乗り込んだ者は脱出できないという頭の痛くなるようなダイヤとなっています。
 
これだと通常は早朝の便で一つめの島に渡り宿泊、翌日隣りの島に移動してまた宿泊という感じに、2島回るのに2泊を伴う過酷なスケジュールが待っています。
そのため通常は与路島と請島の間を5000円払ってでもチャーターで移動しないと大変なことになるでしょう。

唯一、1日のうちに2局を回れるチャンスがあるとすると、一年に2週間ほどフェリーがドック入りしたときに代船ダイヤとなるため、その時に与路の折り返し時間と、池地での10分の停船時間を狙っていくという方法がありますが、この代船というのがどう見ても12名しか乗れないような小船なので運が悪いと取り残されて島から脱出することができなくなってしまいます。

あと、今年の代船ダイヤは梅雨の時期にあたっているためか欠航しまくりですね。
定期船の運航情報用twitter



◆ チャーター船の頼み方とその料金

チャーター船は古仁屋に海上タクシーの組合の事務所が2つあり、どちらかに頼めばいいそうです。値段は区間ごとに取り決めがあるようなので船によって料金が違うというものではないらしいです。どちらの事務所にも電話にかけてみましたが言葉が通じにくい感じなので、とりあえず与路方面をカバーしている於斉丸さんと、よしい丸さんを紹介してもらいました。

チャーターは古仁屋からも出せるが値段は高くなってしまうので加計呂麻島の伊子茂(いこも)という所から出すのが一番いいとのこと。

お値段は、伊子茂→与路が30分で6000円。与路→池地が20分で5000円。
池地→伊子茂が25分で5000円。
伊子茂から2島を回って伊子茂に戻るコースで計16000円かかります。

また、西阿室から出すこともできるのですが、総額が19000円となり、しかも池地から40分くらいかかることになるので時間もお金もかかることになると。
船長さんの話では、伊子茂から西阿室まで車で15分くらいだから、船で行ってもあんまりかわらないよという情報をいただきました。

ということでチャーター船は伊子茂発着にいたします。



加計呂麻島での移動

伊子茂港まで戻ったあとは加計呂麻島の局めぐり。
西阿室、実久(さねく)、押角(おしかく)、諸鈍(しょどん) と4つの局を丹念に回ります。
局の間が10キロ以上開いている所もあり、また、あまり道路事情もよくないことからスムーズに回れるかどうかわかりません。ただ10年くらい前に比べると格段に道はよくなったともいわれているので大丈夫でしょう。

加計呂麻島で借りる車は軽自動車しかないので、それで回ります。
フェリーに車を載せるとフェリーが欠航になったときに大変なことになってしまうためということもありますが、値段もたいして高くはないので生間(いけんま)港のレンタカー屋で借りることにします。



◆ 古仁屋港帰着後の行程

古仁屋帰着後は、港に駐めておいたレンタカーで空港方面へ向かいます。
2時間程度の時間が残っているはずなので、道中の郵便局に寄りながら何局か回れると思います。
そして、空港に到着して当日帰宅の参加者を見送ったあとは、また古仁屋に戻って連泊します。

一日目の行程としては空港までなので、ここで一旦解散。
給油を行ったのち、ここまでの費用を精算します。



◆ 2日目 (予備日) の行程について

2日目は、奄美大島の西海岸をメインに局を回る予定。
大島では一番の僻地にある西古見郵便局がスタートするのが一番効率がいいかなと思いますが、西古見から背後の山を越えて阿室方面に抜ける林道があるらしいので、半島を越えて宇検村方面にショートカットできるかもしれません。
(林道が通行可能になっているかはその時の状況次第。台風後は通行できなくなっている可能性が高いです)

その後は名瀬に向かって沿線の郵便局に寄りながら空港へ。
給油・レンタカーを返却して2日目の費用を精算し、解散となります。

ちなみに1日目に与路へ船を出せなかった場合、この日に再挑戦することになります。、


◆ 0日目 (前日) の行程について

今回は古仁屋港を朝早くに出発するため、当日に奄美入りしていたのでは間に合いません。
よって必ず前日に古仁屋周辺に宿泊してもらう必要があります。
また、奄美空港から古仁屋までは大変遠くてもバスでも2時間以上かかり、しかも決して安くはありません。なので前日に空港でレンタカーを借りるついでに車で古仁屋まで同乗するようにします。ここでかかる費用も参加費の中に含めています。
奄美空港に到着する時刻は人によって前後すると思いますが、車は2台ありますから、うまく調整して乗り合わせをしようと思います。帰りに関しても同じように空港まで同乗します。

古仁屋での宿泊先については指定しません。各自好きな所にご宿泊下さい。
私は一泊2500円の一軒家みたいな宿に泊まりますが、そこで同宿でもいいということでしたらこちらで申し込みをしますのでご相談下さい。


◆ タイムスケジュール


※ 時刻はその時の状況によって前後することがあります。
※ 奄美空港で解散後は、2日目の参加者だけで古仁屋に戻ります。
※ 古仁屋港、生間港での待ち時間が長すぎる時はチャーターする可能性があります。


◆ 料金の内訳と参加人数ごとの予想金額

およその金額について見積もらせていただきました。
4名までと5名以上で車の台数が変わるので見積もりが違ってきます。
燃費については精算してみないとわからない所がありますが、レンタカーについては今の時点の予約した金額で見積もっています。(2台の値段が違うのは車種の違いとかもあります)

 


つぎに、参加人数で割ったときの見積り金額はこちらになります。


燃費など実際にやってみなと分からない費用があるので、あくまでも計画段階での見積もり金額であることにご留意下さい。

また、募集開始段階ですでに4人の参加者が決定しているのでこれから募集するのは5人目からの見積もりとなります。
ご覧のとおり、5人の場合は車輌をもてあましてしまうので、仲間の人たちをお誘い合わせの上参加されるとよいかと思います。ちなみに船の最大搭乗人数の12人まで参加できますよ。


◆ メモ 懸念事項等

チャーター船の船長曰く、9月から10月にかけては海は安定しているそうですが、こればかりは予測がつかないので、台風がやってくるなどした場合は中止することもあります。
また、奄美周辺は外海なので波が予想以上に高いです。船が苦手な方は注意してください。


◆ 申し込み方法

参加はどなたでもウェルカム。1日目だけでも2日目込みでもどちらでも構いません。
ただし、飛行機の便に限りがあるので、自分が利用する最寄りの空港へ帰着できるかどうかよく確かめてからにした方がいいと思います。すでに帰りの便の座席が埋まってきている可能性もあるので、覚悟を決めて前売りを買ってしまうくらいの勢いで参加してください。


参加希望の方はメールかtwitterのダイレクトメッセージで。
名前と、参加日数(1日 or 2日)と、行き帰りの方法についてお知らせ下さい。

また、ツアーの内容に関して提案や相談などありましたらなるべく調整したいと思います。

メール ⇒ inukugiya@gmail.com
twitter ⇒ https://twitter.com/inukugiya



◆ 奄美への飛行機の便について

行きは3連休で時間に余裕があると思うのでいいのですが、帰りの便は18時以降になってきますので、利用できる便が限られてきます。

1日目 (9/25) に帰る場合
 奄美空港から ⇒ 鹿児島 福岡 関西
 鹿児島空港から ⇒ 関西 中部 羽田/成田

2日目 (9/26) に帰る場合
 奄美空港から ⇒ 鹿児島 福岡 関西
 鹿児島空港から ⇒ 関西 中部 羽田/成田

奄美からの東京方面直行便は昼間に出る便なので、基本的には鹿児島空港乗り継ぎとなり、そこから東京、関西、名古屋方面への便があります。

既に満席の便もあるので参加される方は早い目に航空券を手配しておいた方がいいと思います。

ちなみに中部への便は余りまくっているのかとても安くて、私は往復で14820円しか払ってませんから東京に新幹線で行くより安いですね。


◆ その他

台風の到来などで飛行機が飛ばずに帰れないとか、当イベントを中止せざるを得なくなったときに被る損害については一切負いません。
また、開催日を延期することもないと思います。
とりあえず天気ばかりはどうにもならないので、天に祈るしかないと思います。


◆ 関連リンク

あまみ便り 奄美大島探検図(2018年夏)
http://www.amami.com/map

たびらい 「加計呂麻島 おすすめ観光と楽しみ方」
http://www.tabirai.net/sightseeing/tatsujin/0000009.aspx

海の駅駐車場有料化
https://kyurajima.exblog.jp/18353844/

宇検村 林環境保全整備事業 林道の整備に関する資料
http://www.rinya.maff.go.jp/j/sekou/hyouka/pdf/24ape151.pdf

郵便局訪問記 2002年11月の記録
http://www.bea.hi-ho.ne.jp/sntree/saving/record/200211.html

瀬戸内町 宿泊施設一覧
http://www.town.setouchi.lg.jp/kankou/kan/shukuhaku.html


2018年7月14日土曜日

Google Map APIの有料化のサイトへの影響について


◆ GoogleMapAPIの機能が有料化するようで・・・

以前から少しだけtwitterの方でつぶやいていたので、気になっていた方もいると思いますが、GoogleMapAPIが有料化に移行するので何とかしないといけないという件についてです。

GoogleMapAPIというのは通常Googleのサイトで見ることが出来る地図の画面とかブログへの埋め込み地図のことではなくて、自分でいろいろとカスタマイズを施したGoogleMapを使う機能です。
当方のサイトの地図は、郵便局の場所とか情報とかを表示するためにこの機能を使っていろいろとカスタマイズした地図を表示してきました。


たとえば局めぐり詳細ページのルート表示の地図とか
https://r3.quicca.com/~postal/visited_daily.php?dt=2018-07-02

郵便局のマップとかですね。
https://r3.quicca.com/~postal/areamap_main.php

 
これらの機能は通常のGoogleMapの埋め込みだけでは作れないので、自分であれやこれや試行錯誤して構築しないといけませんが、いままでは個人が使う程度のものだと課金対象になりませんでした。
少なくとも1日10000回くらい表示されるような大繁盛しているようなサイトではないと課金プロジェクトに移行する必要はないので、個人レベルのサイトは無料でやらしてもらっていたわけです。


ところが、今年のゴールデンウィーク、5月3日に突如として送られてきたメールによると、GooglMapAPIの料金プランを一新するので負荷の高いサイトでは料金が発生するという衝撃の内容。
200ドルの無料枠を越えなければ課金はないとのことですが、いままでぬくぬくとやらしてもらっていたうちのような弱小サイトですら月々の負荷が限度を超えているので課金が発生してしまうということがわかりました。
ただえさえウェブサーバーの使用料金を月々600円くらい払ってやってるのにこれ以上経費がかかってしまうと趣味でやる限界を越えてしまいます。


◆ 7月16日から適用される新料金プラン、その恐ろしい真相

では具体的にどのような料金表になっているのかですが・・・

料金表 | Google マップ プラットフォーム
https://cloud.google.com/maps-platform/pricing/sheet/

英語と日本語の混ざった非常にわかりにくい料金表です。
ここで注目するところは一か月の無料使用量と書かれた列のところです。


たとえばDynamic Mapsについて見てみますと、最大28,000読み込みというのは一ヶ月当たりの読み込み回数が28000回越えると課金対象という意味です。それを越えると右隣の列に書かれているだけの料金が請求されることになりますが、DynamicMapだとこれが7ドル。まぁ1000円もかからないならたいしたものではないかと思っていたこともありました。

ところがこの料金表、よく見てないとそういう間違いがおきるんです。
無料枠を超えたら100,000回まで月7ドル・・・・ そんなわけありません。


この見出しの部分だけ見てると100,000回まで7ドルだと思うでしょう。

ところが注目するのはそこじゃなくて上の青い見出しです。
これ、読み込み1000回あたりの料金なんですよ。
この青い見出しってエクセルで言うところのセル結合されてて右の3列についてのこと言ってるんです。このことを知ったときはさすがに震えました。
0-100.000というのは10万回までの読み込み分の範囲はこの料金ですよ、という意味。

仮に10万回の読み込みあったとしたら無料枠を超過した72000回について1000回で割った分だけが請求額ってことですよ。

72,000 ÷ 1,000 × 7 =  504ドル

504ドル 56,642円


Google恐ろしい子・・・!


書面をよく見てないやつをつぶしにかかってる。
うっかり殺されるところだった。


そもそも月28000回の読み込みを越えているサイトというのはどういう状態なのか、少し考えてみましょう。

 28000 ÷ 30 ≒ 933

仮に28000回ぎりぎりだとしたら上の計算の結果のように、1日に1000回近くの読み込みがあるんですね。
これって制限越えた時点から毎日7ドル払うことがあるかもしれないってことですよ。
しかもこれ、DynamicMapsという一部の機能について言ってるだけで、ほかに複数の機能を使用した作り込みのハンパないコンテンツを作成しているサイトなんかはそこでも超過料金が加算されていくことになりますから、個人のサイト管理者なら軽く死ねますね。

ちなみに日本語版の料金表というのもありますが、DynamicMapsの日本語訳と思われる動的マップの無料枠は28,000ではなく28,500ということになっています。
この500の差異はいったい何なんだという疑問がありますが、そんな些細なことは気にしないでおきましょう。実はGoogle側もいろいろと混乱してるんです。
なぜなら当初の予定では6月11日から課金をスタートすると言っておきながら、あとてシレッと7月16日に延期していましたから

 

ちなみにGoogleMapAPIは課金するにあたって統計情報のデータを見れるようにしてくれたらしいです。
(もしかしたら以前からあったのかもしれませんが興味なかったので見てません)




こういう感じのサイト画面です。
GoogleMapAPIのAPIキーを取得している人しか見れないと思います。


さて、それでは5月時点で当サイトがどういう状態になっていたのか。
当時のスクリーンショットをtwitterに投稿してあったので掘り出してきました。


なんとMapsJavascriptAPIの月あたりの読み込み回数が87,459回。
ちなみにこの MapsJavascriptAPI というのが料金表でいうところの DynamicMaps のことです。
こんな感じで見るページによって呼称が変わっていたりして非常に頭が痛い。

しかし、これが5/17の時点で月に87,459回というのは月々28,000回という無料枠をぶっちぎっていることは確かです。
料金がおいくらになるのかということを計算しました。

(87,459 - 28,000) ÷ 1,000 × 7 ≒  416
416ドル ≒ 46,752円


46,752円・・・!

qあwせdrftgyふじこlp...



なぜか急にですが、今までGoogleに対して46752円も払わずにこの機能を使ってきたことに申し訳なさを感じてしまいました。そして、こんなの払えるわけないということもわかりました。

ちなみに6月になるまで前述の10万回までは7ドルだと思いこんでいたので、どうでもいいやと思い、のうのうとしておりました。

しかし、実際に6月に課金が開始されていたとしたら私の所には驚くべき請求額のクレジット引き落とし通知が届いていたことでしょう。

そう、本当に恐ろしいのはこの課金は制限を超えた時点で超過金がクレジットの自動決済にされることです。そもそもAPIを使い続けるためにはクレジットの登録が義務化されましたので、超過があれば即引き落とし・・・本当に恐ろしい。

仮にうちのサイトが何らかの媒体で紹介されたりしたら (そんなことあるはずないが)  いろんな人が訪れて、その都度読み込みが起きてしまうので 1日で10万回など越えようものなら、それに対して超過金の請求が来るわけです。
ただサイトに読み込みかけまくるだけでサイトの作成者は金銭的な被害を被ることになりますよ

ほんとに恐ろしい・・・。

クレジットを登録するわけだから、アカウントをいっぱい作って無料枠を増やせばいいというセコい手も通用しませんし、これはなかなか手ごわいことだと思います。

(サイトに大量に訪問者が来たときの対策として転送料制限の設定が可能なのであとで触れます)

GoogleMapAPIの課金の件については 『轍』 というGPSデータ活用サイトにある記述が参考になりますが、わたしはこの4行読んで目が覚める思いをいたしました。

  • 無料で利用できる範囲は毎月200ドル分まで。
  • 200ドルで利用できる範囲はウェブブラウザ上の動的マップの場合、毎月28500ページビューまで。
  • 無料利用分を超えると1000ページビューにつき7ドルの課金が発生。
  • APIキーを使用しないと2018年6月11日以降、マップが表示されなくなる。
 https://wadachi.cyclekikou.net/leave_googlemap.php

ちなみに 『轍』 さんはGoogleMapAPIのプラットフォームを捨てて、オープンソース系のLeaflet APIへ移行しています。
Leafletは、何というか地図として粗さが目立って到底使い物にならないような気がしますが、ただGPSの軌跡を見て行程を把握するだけならこれでもいいのかもしれません。


◆ 帯域を圧迫しているGoogleMapの機能は何なのか?

問題の統計データをじっくり見てみるとMapsJavaScropt API以外にもいくつか読み込みがありますが、たとえばDirections APIというのはルート検索のやつで、郵便局マップのところで操作すると簡単に訪問局ルートの行程を作れるという機能に使われていますね。
このDirectionsは40,000回まで無料なので1,239回程度では心配する必要はありません。

Geocoding APIは、地図の任意の位置から住所を検索するときに使うやつです(その逆の方法で使うこともあります)
当サイトでは郵便局マップの住所取得機能とかで使っていますね。
これも40,000回まで無料なのでどうでもいいです。

ということで当サイトで唯一の問題箇所はGoogleMap自体の読み込みが多いことです。

ここでまず思い当たるのは各郵便局について1ページ分のコンテンツが存在している当サイトでは、その郵便局の数の分だけ読み込む地図が存在するわけです。
今の時点で25,139局分のページがあるので、それらにいちいちアクセスされただけで簡単に無料枠を突破してしまうかもしれません。
また、Googleの検索にも載っているので、なんかの間違いで富士山頂郵便局に強盗でも入ったりしたら、当サイトの富士山頂郵便局のページにアクセスが殺到してしまう可能性だってあります。
とくに簡易郵便局に強盗や逮捕者がでたもんなら局名で検索したときに結果の上位に出てしまう可能があるので、興味本位にやってきた野次馬的市民によってマップの読み込みが爆発的に跳ね上がるかもしれません。



◆ やったことはたった一つだけ

この各局のページというのは検索エンジンからやってくる場合が非常に高く、当サイトの玄関みたいになっていますから、ホンモノの玄関からやってくる人なんていうのはごく限られた人しかいません。
以上のことを踏まえて、対策が必要なのは各郵便局の紹介ページの部分であると考えました。

問題のページの部分。
この地図の部分が読み込まれるたびにカウントされるので、87,459回のうち80,000回くらいはこの各局紹介のページで費やされているはず。

ということで取った対策はただ一つ。

地図をYahoo!にしました。

もっと細かく言うと、初めて当サイトにやってきた人のデフォルト表示のマップをYahoo!にしました。

何も変わってないじゃないかと言われそうですが、初めてやってきた人、いわゆるいちげんさんに対しての表示地図が変わったのです。

初めて来た人にはこんな感じに見えています。



右下の「地図をえらぶ」をクリックすれば3種類の表示から好きなものにすることができるようになっています。もともとデフォルト表示の地図をGoogleMapにしていましたが、これをYahoo!にしたというだけです。
ユーザーごとに設定が残るので、前回にGoogleMapで表示していた人は切り替えしない限りはそのままになります。ですからいつもから当サイトを見ていた人はその変化に全く気付くことはありません。

Yahoo!には申し訳ないですが、しばらくはYahoo!マップの方でガンバッてもらいます。
Yahoo!マップもけっこうAPI機能が充実してきたので、時間があればこちらも作り込みたいと思っていますが、そのうちこちらも有料化されそうで怖いですね。


◆ 対策によってどうなったか

実はこの対策を行ったあともいろいろと試行錯誤していたのですが、つい最近も統計データとにらめっこしてどう改善されたのかということを調べていました。

そして、今現在の時点での一ヶ月当たりの使用量はといいますと・・・・


おおおおおおおおおおおおおお
勝ったッ・・・勝利っ!

87,459回だったものが10,197回。

読み込み回数を8割削減! 
46752円もかかるはずの経費がタダ!

いや、いままでもタダだったわけですが、これから課金されることになるからその金額ですね。
しかしこんなにうまくいくと思わなかった。

いままで無駄な負荷をかけてばかりでグーグルさんどうもごめんね。
やふーさん、これからもどうぞよろしくね。


◆ 念のために帯域制限をかけておく


ここまで対策してきましたが、何の弾みで爆発的なアクセスがあるかわからないので、APIの読み込みに制限をかけることにします。

ここからの内容はサイト制作者向けのことなので読み飛ばしてもらっていいです。


 統計データのグラフの下にある各APIの読み込み回数表の、タイトルの部分をクリック。



 グラフの上にある3つの項目のうち 「割り当て」 クリック



この棒グラフの下にあるやつが制限値です。

ロード回数が無制限になってますね。大変危険な状態です。
右のペンマークみたいなやつをクリックして編集しましょう。




上限数をどのくらいにするかですが、無料枠が月28,000なら、30日で割ると1日の上限は933回までだと思いますが、まぁうちの場合はそこまで1日のアクセスはないですから1000にしてみました。
チェックは外したり入れたり面倒くさいですが、見ればわかると思います。

このページまで辿り着くことの方が10倍難しいと思いましたから。



◆ 呼び出し元の制限もかけましょう

APIキーというのは実は管理している本人でなくとも利用できちゃったりしますから、そうさせないために呼び出し元ドメインを設定します。
別に設定しなくても使えますが、そんなことしてたらAPIキー乗っ取られて使われてしまいますよ。

 
 認証情報というページに移動して、使用しているAPIキーをクリックします。
APIキーは塗りつぶしておきましたが、調べたらいくらでもわかりますからね。
勝手に乗っ取って使われててもこれまではタダだから気にする必要ありませんでしたが、これからは請求が来ても文句言えません。


アプリケーションの制限でHTTPリファラーを選択。
下の欄に入力フォームがあるので、そこに自分のサイトドメインを登録。
最後にアスタリスクをつけるとそのアドレス以下はなんでもいけるようになります。

ついでに、これを登録するとローカルホスト、つまり自分のマシン内で呼び出したときにエラーがでてしまうので、*localhost/ページのディレクトリ名/* を登録しておきましょう。
*localhost* だけだとヒネリがないので、誰かに勝手に使われてもしりません。



帯域制限については試行中なので、もしかすると制限を超えたエラーがでることもあるかもしれませんが、裏で色々試したりしていますので、そのうち落ち着くと思います。

ということでこれからも当サイトをよろしくお願いします。


PS... 私がお世話になっているポストマップとか、あれだけのサイトをいくつも運営してて課金とか大丈夫なんだろうか。
むしろクレジット登録してるのかさえ怪しいけども、おそらくは経費がキツくて休止するんじゃないかと思ってます。


◆ 参考にさせていただきました。

有料化に関しての問い合わせと回答についてはここにでていますので、熟読しましょう。
価格に関する一般的な質問 GoogleMapsPlatform
https://cloud.google.com/maps-platform/user-guide/pricing-changes/

Google Maps APIが新しくなる!Google Maps Platformの料金体系と必要な設定変更
https://www.marie-web.design/blog/google-maps-platform/

Google Mapsの課金方法が大幅変更 でも月額200ドルまでは無料
http://jindcny.com/blog-entry-619.html

6月11日以降、Google Maps APIによる地図表示が薄暗くなる/エラーになるケースも――「Google Maps Platform」移行で何が変わる?
https://internet.watch.impress.co.jp/docs/special/1124760.html

GoogleMaps APIの完全廃止について
https://wadachi.cyclekikou.net/leave_googlemap.php

2018年6月26日火曜日

【離島ミニ散策】 瀬戸大橋の足元にある島。与島探検 (後編)

◆ いよいよ与島の集落内へ潜入

与島の集落内に立ち入るためにPAから第二駐車場まで移動したのが前回。
今回は、この駐車場のはじっこにある車止めを越えて集落内に進入します。
入口に何の案内板もなくてビックリですが、特に立入禁止とも書かれていないので堂々と入ればいいと思います。しかし、何というか、島の玄関なんだからもう少し格好良い入口にしたらどうなんだろうかと思いますね。


ちなみに与島PAから与島の集落に進入するルートは3つくらいありますが、今回は一番マトモな入り方を選んでいます。ほかの2つはというと1つ目が与島PAの南の外周にある遊歩道から集落に抜ける小道に入り込む方法。

PAのはじっこにある公園みたいなところから柵を越えて敷地外に出るか、草むした遊歩道をしばらく東に進むと、外周道路に出られる一角があるのでそこから進入します。
今回は時間がなかったので実際には行かなかったのですがRPGの隠しルートみたいな感じで面白いんじゃないでしょうか。

もう一つは与島ICのゲートの手前まで行って、そこから歩いてゲートを越える方法。

第二駐車場への導入路で最後のカーブを曲がる手前に右に分岐があるのでそこを曲がるとその先に与島ICのゲートがあります。
分岐のところに一般車進入禁止と出ているので、島民でもない車は入っちゃだめなんですが、入っちゃった人を排出するためにゲート前にUターンする区画があるんですね。そこに車とめて歩いて入るっていう方法。まねしちゃダメですよ。
しかしこのルートも関係者しかわからない隠し通路に入っていく感じでRPGっぽい(以下略・・)

そんなわけで、第二駐車場から堂々と入る方法で今回は行きます。

入っていきなりある光景がこれ。ただの住宅街。
塩浜という地区で、かつては塩田、今は集落から溢れ出た住民が新たに住むための分譲住宅地のようです。
ここに与島中学校 (2008年閉校) などもありますが、日中なのに全く人の気配がない。

少しあるいたところにある中本商店。今はおそらくやってないだろう外観。
この店舗前に塩浜停留場があります。

塩浜地区の目の前に大橋があって景観は素晴らしいのですが、時折列車が通過するときにけたたましい轟音が鳴り響くのではっきり言って住民は辛抱たまらないと思いますね。
鉄道は道路の下の階を走るようになってますが、列車からの景観はあまりよろしくありません。
私も一回だけ通ったこと有りますが、どんな景色だったか全く記憶にないのです。
たしか、保線作業用の通路や柵が延々と続くだけで、与島を見るのは困難なはずです。



◆ 与島島民だけが通れるゲートの存在

中学校から少し進むと現れるのが与島ICのゲート。
ちょうど島民の軽トラがやってきて、通過していくところでした。
ETCで通過するのではなく、専用のカードを入れると開くようです。係員は居ません。

写真を拡大をしてみるとわかるんですが、ゲートの向こう側に車とめてる人いますね。
これがさっき紹介した2つ目の方法。進入禁止のゲート前まで車で乗り込んで歩いてゲートを越えるを実践してらっしゃる方々です。

ゲートに係員がいないこと知ってないとちょっとできないですね。
現場で見たときはゲートの手前に駐車スペースがあるのかと思ってましたが、そんなもんありません。くれぐれも真似をしないようにしましょう。



ゲート前からは南東方向へと進むことにします。
ちなみに何の案内板もありません。というか与島全体に言えることですが、道路の案内板というものは全くありませんから、いかに部外者が入ってくるのを歓迎していないのかが分かります。
しかし、だからこそ自分で道を探して歩く楽しさがあるのです。


自動車が一台通れるくらいの道です。
両側には無住の家屋が建っています。
前を歩いているおばさんは第二駐車場に車を止めていた人なんですが、そのうちの一軒に入っていきました。建物の至る所に蜘蛛の巣が張っていたので、きっと無住になってしまった自宅を掃除しにきたのだと思います。
ここで、このおばさんがなぜゲートを通過せずにやってきたのかということが判明するわけですが、そういう元島民たちはゲートを通過する権利がないということがわかります。


瀬戸大橋と畑という不思議な構図



道なりに進むと上り坂になり、突き当たりまで来ると大きくカーブして北へと道路が続いていきますが、このヘアピンカーブのところで、あえて直進してみることにします。




◆ 与島小学校の跡

直進するとすぐに視界が開け、何もない平坦地と体育館が現れます。
近くに与島小学校というバス停があるので、小学校であることはわかりましたが、校舎はどこにあるのだろうかとちょっとあたりを探し回りました。すると、ちょっと下の方に建物がある。



給食室と書かれた建物裏手から回り込むと正面には与島幼稚園とあります。
建物はしっかりしていますが、今もやっているようには見えません。そして建物の前に適当に置かれてるボートは捨てられているのかそうでないのか。島の高台にあるので津波が来たときに逃げる場所としては適当な所ですが、津波がきたとしてこのボートを使うようなことってあるんでしょうか。
島から脱出するなら橋に登った方が安全だと思います。 

小学校ではなく幼稚園の目の前に飾られている二宮尊徳像。
かなりキレイな状態で残っています。
石の材料はよくわかりませんが、全体的に白肌の端正な尊徳像です。小与島が石の産地なので、そこの石で作られてる可能性がありますね。


あと、調べてわかりましたが、与島小学校も2008年に閉校しているらしく。校舎はすでに取り壊されたあとらしい。
幼稚園は小学校が閉校した後も少しだけやっていたらしいけどこれも今は閉園しています。
 

幼稚園の入口からいよいよ浦城の集落内に進入です。


◆ 与島幼稚園から海へと至るコースを辿る

校門を抜けた先の白壁の建物は一見ただの民家に見えますが、中に洗剤が並んでいたので雑貨屋みたいです。


雑貨屋の前を通り過ぎると地蔵のあるT字路。
左はおそらくヘアピンカーブのところの分岐にあった細い坂道に繋がっているだろうと思われる。
ここは下り坂になる右へと曲がります。

 道路の左手からは瀬戸内海児島半島が見える展望ゾーン。




 道路はここで藪のようなところに突入しているがこのまま進んでようのかどうか不安になる。




 これは果たして道路なのか??



藪のゾーンを抜けると民家の建て込んだゾーンに向かって階段が続きます。
のしかかると折れそうな手すりが付けられていて申し訳程度にバリアフリー。


◆ 港の目前にある謎のプール

階段を下りきると海岸に到着し、いきなり目の前に細長いプールが出現。
今も使われるとはちょっと思えないくらい枯れたプールです。

小学校の跡地を散策したサイトの人の話では、小学校の敷地にプールらしきものは無いらしい。
つまり、この港のプールを授業で使っていた可能性があります。

では、なぜプールが海辺にあるのか。
あくまでも推測ですが、このプールは海水プールで、その海水を満潮時に導入するために海辺に有ったのではないか。なぜならかつての与島は水道水を島内で賄っており、その水はとても貴重だったからです。真夏に水が涸れてしまうと水舟を出して買いに行くしかないという島なのに、プールに真水を入れていたとは到底考えられないのです。

港から見える瀬戸大橋。
左手にあるこんもりとした森は鍋島灯台のある岬で島内随一の見所です。
普段は立ち入り出来ませんが、花の咲く季節に公開される期間があるというお話。
ここにきて初めて観光客らしい女性の一団が歩いているのを見かけました。

港の方が少しばかりの漁船が浮かんでいます。
あまり漁業は盛んではないらしく、これらの船も漁に出るためというより、付近の島に行くためのもののようです。


 ◆ 漁港に佇むシャビーなバス停はインパクト大
 
そしてこれが漁港で一番目立つ建物。
浦城のバス停です。

ロシアの樺太あたり行くとありそうなサビサビの建造物で、全国津々浦々でもここまでインパクトのあるバス停もないんじゃないかという佇まい。


遠くからみるとよくわかりませんが、近づいてみるとこの建物は船舶の一部であることに気付きます。入口も開いているので入ってみましょう。


これが待合室の内部。
空間が歪んでいるような気がしますが、これは天井が曲面になっているためです。
しかし、天井板が所々剥がれているし、あんまイスが置かれていたりとなかなか混沌とした空間。
そして何より天井が異様に低くて圧迫感が凄い。
あまり待合いたくない待合室です。


待合所にはこれらの家具類のほかにも壊れた洗濯機が何台も放置されていたりと、ただのゴミ置き場なのではないかという状態で、外から見たときのワクワクのわりには待合所としての環境は劣悪です。どうしてこんなことになってしまったのか。

この待合所はかつての定期船が廃船になったものを活用しているようですが、おそらく漁港を整備する際に船を丸ごとコンクリート漬けにして作られており、床板部分が嵩上げされて天井が低くなってしまったことで居住性が低下。あとは定期的に外壁を塗り替えることもされないためどんどん錆が来て、ついにゴミ溜のようになってしまったのですが、外部の人間がやってこないので、島の玄関口をキレイにしておくという感覚も薄れてしまったのだと思われます。


◆ 郵便局へと向かう道
 
バス停から少し歩いたところの風景。
真ん中にある商店はきちんと営業されていて、飲み物や食料品などがある程度手に入ります。
商店の向こうにある民家の脇の小道の先に郵便局が見えたので入ります。

坂出与島郵便局。
この日は日曜日なので開いていませんが、ここは県内でも珍しいATMのない直営局なので、土曜日も開くことはありません。



帰りは郵便局の前の小道を進んでみることにします。
与島は昔、航海業で栄えていたので所々に古くて立派なお屋敷がありますが、
そのほかの多くは狭い敷地内にぎっちり押し込まれる形で立てられています。


途中の坂道から海を振り返り。
とてもいい景色ですが、右手の民家にいる犬が吠えまくっていてかなりうるさい。
犬の苦手な人は通らない方がいいかもしれない。

ちなみにここで初めて地元の人らしき人とすれ違いました。


急な坂を登り切るとソテツの脇のあたりから舗装された道路に合流。




◆ 郵便局の近道への入口はこんなところにあった

この風景には見覚えが、、、最初にヘアピンカーブのところを直進した所です。
この道をまっすぐ進むと小学校跡と体育館があるわけです。
郵便局に至る近道はこの学校入口にあるソテツが目印になりますね。
ちなみにこの道の反対側 (写真の右手) には、穴部集落に続く道路が細々と続いています。これを道なりに進むと与島PAの外周通路に辿り着けると思います。



◆ 2018年のフィッシャーマンズワーフ跡

第二駐車場に戻りました。
さっきの分岐から10分、郵便局からは15分といったところです。

ここからは、かつてこの地にあったというフィッシャーマンズワーフの跡地の様子を見てみることにします。現在この第二駐車場の半分くらいの敷地は車輌進入が出来なくなっているため、ご覧のようにただの空き地になっています。スケボーとかの練習するにはよさそうですね。

奥のヤシの木が並んでいるあたりの向こうに2011年までフィッシャーマンズワーフがありました。

それで、フィッシャーマンズワーフの跡地はどうなっているのかというと、だいたいは草藪になっていて進入することができなくなっています。
写真は草むらの中に残っている給水施設。

草藪ではない部分は太陽光パネルが並んでいますが、これも耐用年数が過ぎたらどうなることやら。


これは水路を渡った先にある廃墟的物件。
看板が朽ちているので何だったのかよくわかりませんが、温室か何かだと思われます。


水路の堤防添いに進んでいくと瀬戸大橋がきれいに見えるスポットになっていますが、この潮だまりには小舟が一隻と、釣り人がぽつぽつと居る程度でほんとに寂しいところです。

海の向こうに見える岩黒島は近年、魚介類を生かした料理を提供する民宿が繁盛しているらしいですが、与島の方はここ最近は全然ぱっとしないばかりか、廃墟スポットとしても微妙で、PAに観光客が休憩に寄るだけの島となってしまいました。

◆ 瀬戸大橋ができるまでの与島

ここで少しだけ、与島に大橋が架かるまでの話をしておきます。
宮本常一 『旅の手帖<愛しき島々>』 収録の 「塩飽諸島」 の章には与島の地理的概要が端的に述べられているのですが、これは昭和48年、まだ瀬戸大橋が影も形もなかった頃に、大橋ができることによる自然環境の変化と保全についての調査書として書かれたもので、当時の与島の様子や歴史を知るにはちょうど良いものです。

その頃はまだ本四連絡線の計画段階でしたが、実はその時点では与島にパーキングエリアどころかインターチェンジすら造る気は無かったらしく、島民の陳情に対しての公団側の回答はせいぜいエレベーターを造る程度のものだったようです。当然、櫃石も岩黒も同じ状況で、ただの橋脚の足場というものでしかありませんでした。
そう考えると、今の状況は当初の計画を大きく越えて、かなりの恩恵を受けたといってもいいようなものです。

ちなみに当時の与島の集落別戸数は浦城70戸、穴部13戸、塩浜55戸。
これらの戸数は当時も今もあまり変わっていないと思いますが、一戸あたりの人数や、無住の家が増えたことで島の人口がどんどん減っています。もとより家の数を増やすことに限界があるため、家を継がない男子は島の外に出されて主に阪神方面に移住していったようです。
家が増やせない事情は土地が限られているからだけではなくて、飲み水の確保に限界があったからで、大橋が出来るときに水道管を本土からつなげて欲しいというのが当時の島民の願いでもありました。そして、その後の観光開発を見る限り、その願いも聞き入れられて、もう昔のように飲み水の心配はいらなくなったはずです。

歴史的にみると与島はこの周辺に散らばる小島の中でも本島に次いで古くから人の住んでいた島で、ながらく航海業を主力にした島であったようですが、近代には塩田と石材産業が主力の島となりました。一方で明治期からすでに島内での食糧自給がなくなり、水田が一枚もないような島となっていて、食料はすべて島外から買ってくるという状態となったとのこと。なので、今でも畑がほとんど無く、農業に関しては何もないような島となっています。

その後の、架橋後のことについてはフィッシャーマンズワーフの件でも分かるように、観光業は20年ほどで下火になって、今は与島PAの一部に集約されてます。
明石海峡大橋ができたことで阪神方面から四国への流動がそちらへ変わってしまい、瀬戸大橋は中途半端な立ち位置となってしまいましたが、直島や小豆島、本島などそれなりに見直されている中で、与島だけが瀬戸大橋直近のバツグンな景観を手に入れておきながら寂れたままになっているのはなんだかもったいないなぁと思います。


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◆ 今回の歩いたルート

というわけで、小一時間ほど島を散策したルートを地図にしてみました。
今回の目的は与島PAから郵便局に至るまでのルートを確定することにありましたが、当の本人は翌日に船で訪問する気でいるので、郵便局というか、純粋に与島の中を歩いてみたかっただけです。

歩いてみた感想としては、あまり部外者がやってくることが想定されていない島で、案内板無いし、道が分かりづらいし、地元民が全然歩いてないしで、玄人向けの島であることがわかります。
これでもう少し岩黒島みたいに民宿をがんばってみるとか、対岸にある小与島を見学できるようにするとかそういう色気を出せば魅力も出るのでしょうが。今の状態からどうしようというパワーも感じられないので、きっとこのまま静かな島に戻ることでしょう。

ちなみに第二駐車場はぜんぜん人がいないので車中泊とかするならオススメですね。
防波堤で釣り糸垂れたり、灯台を見に行ったりしてのんびり1日を過ごすのもいいんではないでしょうか。

おわり。