2017年6月23日金曜日

【局めぐり記】 忽那諸島局めぐりツアー (後編)



5月29日に行われた忽那諸島をチャーター船で回るツアーのレポート後編。
中島まで順調に進んでいた局めぐりが突然の出来事により人命救助に・・・
ちょっと予定を変更して、逆の順序で回ることになった後半戦。
14時も回って残り2時間を切ったところであと4局を残すところとなりました。


http://postal.kiramori.net/routemaker_map.php?id=31&zoom=13&nl=33.91893870784413&el=132.7059327838135


◆興居島
三津浜港から目と鼻の先、10分程で辿り着けるお手軽な離島 「ごごしま」
1000人あまりの人口ですが、最近は観光地として地味に知られつつあるスポットです。
忽那諸島の中には含まれませんが、今回ついでなので行程に組み込んでいます。
この島は由良港・泊港の2箇所から頻繁に船が出ており、そんなに行くのはそれほど大変な所ではないため、今回の参加者のうち2人は既訪でした。

9局目 松山泊郵便局
泊の桟橋から5分くらい歩きます。
途中に小学校の建物がありますが、これは廃校になってしまった泊小学校の校舎で、今はカフェに改造されています。そして、それを過ぎてまた3分くらい歩いた所らへんで右の路地に入ると郵便局があります。地図がないとちょっとわかりづらいです。

14時25分 郵便局到着。
局内は大人しい女性の局員さんが一人。処理は淡々と進みました。

続いて今度は島の北寄りにある由良港桟橋に到着。
興居島は松山市街からわりとすぐに渡れる所にありますが、海は本当にキレイです。
というか愛媛県はどこもかしこも海はキレイ。
伊勢湾の褐色の海を見ている者としてはこの青さだけでも羨ましく思います。



10局目 松山興居島郵便局
桟橋をまっすぐに突き進むとAコープのスーパーがあるので、そこの向いの道をズンズンと進んでいくとすぐにありました。14時50分頃到着。

こちらは局員さんが3人いたと思います。先客も2人くらいいました。
この日まわった郵便局の中で丸ポストが立っているのはここだけでした。

興居島の民家。どこも立派な門構えを持っていてただの貧乏な漁村にはない感じ

港のそばにスーパーがあるのでわりと華やか
手書き感のあるカラオケ屋の看板

桟橋に戻るとちょうど高浜からやってくるフェリーがやってくるところでした。

 
・・・・・・。



・・・・・・!

ドカーン!

おいおい、ちょっと桟橋にぶつかるだろう、という感じで船がこっちに突き進んできて、なんと本当に桟橋にぶつかってきました。そして船首を桟橋に押しつけながら船体を90度回転させていきます。

ちなみにあいらんど号はバスフロート船というタイプのフェリーで、車を載せても航送中もいちいち車から降りる必要はありません。

また、興居島については観光マップがあるので興味ある方はこちらをご覧下さい。
この島は最近なぜか、女子 (じょしと読んでください) と外人に受けているらしくて、今回も公園の遊具で遊んでいるゴッツイ外人さんを見かけました。
この島には例のホバーボード (googleのCMにあったアレ) を貸してくれる所があるらしく、あのサイバーパンクな乗り物を体験できるようです。

15時ちょうどに由良港出発


◆睦月島
15時15分、睦月島に到着
1月のことを旧暦では睦月 (むつき) と言いますが、こちらの島は 「むつき」 ではなくて 「むづき」 と読みます。
私が調べた限り、この島に関しては 「むづき」 と読むことで一貫していました。
ちなみに駆逐艦の方は 「むつき」 です。

桟橋から島内に向かっていくと、海に向かって黄昏れているおじいさんを発見。
こういう風に老いていくのは羨ましい

この島は興居島や午前中に回った島に比べると漁村としての雰囲気が薄くて、商店のような建物が多いような気がします。睦月島と野忽那島はあまり漁業に向いておらず、農村としても微妙なところだったために他の島と比べて不利な土地でしたが、近世より反物の行商で島の外に出て行く人が多く、そこで成功して財を成した人も多いと聞きます。

しかし、反物の行商はどんどん下火となったため、今は柑橘類の栽培が中心の元の農村に戻ってしまっています。

11局目 睦月郵便局
コンクリート造りの頑丈な局舎で、一見しただけで集配局だったとわかる建物。
2006年まで集配局だったようですが、周囲の路地はけっこう狭くて、車が入ってくるのはけっこう大変な立地です。
局内には若い男性局員ばかり3名がお出迎え。なぜこんなうら寂れた島に若い人が3名も・・・と言う感じですが、処理がサクサク進むので有り難い限り。
参加者の一名が旅先から出すハガキだという、厚さ2センチくらいある束にせっせと消印を押してくれました。


港のすぐ横にある幼稚園に園児の気配は無い
港はただ広い空間が拡がる

睦月島の見どころといえば、ネコらしいのですが、今回は一匹も見かけませんでした。
ネコを見るためだけに島に渡る人もいるらしいです。
逆に言えばそれ以外特に何もないし、廃屋だらけだし、商店は閉まっているしで、けっこう不便な所なので来るときは食料を忘れず持ってくるようにしましょう。

 15時35分 睦月島を出発。


野忽那に向かう船上からは大型タンカーが悠然と海の上を進んでいくのが見えたので、望遠レンズで狙ったんですが、船の揺れが激しくてまともな写真は撮れませんでした。

◆野忽那島
本日最後となる離島 「のぐつな」と読みます。
だいたいこの地名が読めるのは忽那水軍という中世の頃にいた海賊衆について知ってる歴史マニアくらいだと思いますが、最近は忽那汐里さんというタレントさんが出てきたのでそのおかげで読めるという人も多いはず。ちなみに忽那さんはオーストラリア出身の日系人です。
でも忽那という苗字は確かにこの辺りで水軍を張っていた一族の末裔で、元を辿れば平安時代、藤原の流れを継いでいるという由緒のある家系です。

そして野忽那島というと、元は純粋な漁村でしたが、睦月とともに反物行商が盛んになるや、島民のほとんどがこれに従事して一時期は1500人を越える島民が棟を寄せて住んでいました。
そして、行商が廃れるとまた元の漁村に戻ってしまい、今は200人ばかりが住む小島となっています。

ようこそ野忽那へと書かれた看板がやや内股気味で歓迎してくれます。

小学校前の道路。小学校は8年くらい前に児童が居なくなって休校。

島の至る所に干してあるこの赤い毛のような謎物体はテングサだそうです。
知らないとただのゴミに見えてしまいますが、これを取ってくるのは大変だそうで、海中に素潜りして海底からもぎ取ってくるものなのだそうです。

さらにこうして天日に干すこと一週間、何遍も水をかけて乾燥を繰り返すことでやがて漂白され、トコロテンとして食卓に上りますが、元はこんな物体なんです。

12局目 野忽那簡易郵便局
16時直前となりましたが何とか本日の全行程を訪問することができました。
郵便局は海に背を向けるように建っている漁協の事務所が受託しています。

今回のツアーで、事前に訪問局にはいついつ何時に伺うという予定時刻を伝える便りを出していましたが、唯一この局からは返事が届いていました。
ところが、私が旅先に出ている関係で、同居人が郵便局の名前を読むことが出来ず、「松山の簡易局から手紙が来てる」 という程度しか伝えられていなかったので、ここの局長さんから出されたものだということをこの時点では知りませんでした。

局長さんは予定時刻になっても現れないのでソワソワしていたようですが、いろいろとあって16時ギリギリにやってきた我々をお菓子と缶コーヒーで丁重に出迎えてくださいました。
(なぜか船長の分と、もう一人分多い10人分も用意されていました)

さて、ここで局めぐりツアーも終わりに近づいてきて、一同は一仕事を終えたみたいに脱力しながら、待合所を覗いたり、港をぶらついたりしていました。

フェリーターミナルに戻って写真を撮るとなると朝撮ったものと同じ構図になってしまうので、この島で集合写真を撮ることに決め、船長と一緒に船に戻って例の看板を運び出しました。
(こいつは朝ターミナルから撤収したあと、一日中船内の客室に居座っていました)

で、これが撮影後に桟橋に放置された様子です。
かなり変な画なので、バシャバシャと写真に撮られまくっていました。

ちなみにコレ、某所で1000円で売られていたもので、誰も買い手がつかないので自分が買い取りました。
送料の方が高かったです。
しかも、予想以上に実物は大きくて、しかも6キロあって車に積み込むだけでも大変でした。
蛍光管をつければ点灯するはずなので、また時間があったら整備してみようと思っています。



さらば野忽那島
さらば忽那諸島・・・

三津浜港の少し手前で見えるのは梅津寺 (ばいしんじ)
10年ほど前まではここに遊園地があって、学校の遠足といえば梅津寺か砥部動物園かというぐらいに愛媛県人にとっては馴染みの深い場所。

参加者の誰かが言っていましたが 『東京ラブストーリー』 の最後の方でハンカチを結びつけたりしているシーンが梅津寺だそうです (これ知ってるのは年配の人ですね・・・)

遊園地の跡は何も残っていませんが、駅は当時のまま変わっていません。

本日3度目の三津浜港ですが、今度は船を着ける所がないので、知らない船に横付けして、その船を通過するようにして桟橋に上陸。

船長さんどうもお疲れ様でした。
当初、島で係留することができないので沖出しして待っているという話しでしたが、ちゃっかり郵便局まで同行して記念写真を撮っておられました。

さて、ターミナルで解散すると、ちゃあ氏含む3人はタクシーで移動するということで、残り4人は港に駐めておいたマイカーで松山中央局にむかうことにしました。

そう、まだ18時まで開店している郵便局があるのだから行かなくては勿体ないのです。

本日最後の郵便局 松山中央郵便局
郵便局のまわりは一方通行だらけでなかなか手強いところです。
しかも駐車場らしきところが5台分くらいしかない上に満杯だったので、しかたなく少し離れたコインパーキングに入れました。100円貯金するのに100円払ってます。


あとでわかったことですが、郵便局のまわりの3箇所のコインパーキングにいれればタダでよかったようです。

さて、このあと同乗の3名は松山空港から帰る者2名、空港で車を借りて明日に備える者1名なので、とりあえず松山空港まで送っていって、そこでお別れしました。

ということで、これにて局めぐりツアー当日の報告は終わりです。



◆総括


今回のツアーへ料金は、最初にプランを出したときから増員を経て10万を超えていますが、8人で割るので一人あたり13090円になりました。
すでに定期船利用での費用見積りも以前の記事で出していますが、中島汽船は運賃がとても高い。中島の人も日本一高いと思っているらしい、島民割引というのもないらしいのですが、とにかく高速船で津和地から往復するだけで4000円以上しますし、全島回るとなると2日は最低でも必要。
さらに今回は柱島という難所を押さえているのでこれでもずいぶんと安く回れたと思います。

チャーター船の価格というのは需要や業者の多さなどで地域でマチマチですが、忽那諸島は定期船が高いのでチャーターも高くなります。因島や香川の瀬戸内あたりは業者が多いのでもう少し安くいけたでしょう。
しかし、今回チャーター船主のあいらいん様には大変お世話になりました。
直前での増員と4度に渡るプランの提出、中島での車の用意など色々とお世話になりっぱなしでした。

実は、私たちがツアーをやる少し前に、一人のお客さんを案内したことがあったらしく、半日コースを利用し、浮島にも連れて行ったようです。
(半日だと全部は回れないので、睦月・野忽那は定期船で繋いでいると思います)

確かに一人なら処理に時間が掛からないので半日でもけっこう回れると思いますが、半日45000円に消費税もかかって5万近くも払って局めぐりというのはなかなか真似の出来るものではありませんから、もし興味のある方は同好の人数名で回られるのがおすすめです。
今回のプランなら確実に回れるので、船長に同じようにしてほしいと伝えるだけで簡単に開催できます。
あとは、事前に訪局先にお便りを出して根回ししておくとスムーズに進みます。
また、同行者が多い場合は事前の用意は万端にしてもらわないといけませんから、特に記念押印をされる方がいたら事前に郵便局に印のスタンバイをしてもらったり、郵頼で返却するように仕込みをしたりと入念な準備が必要です。
今回の参加者はその辺をよく理解してくださったので予想以上にスムーズに進みました。
本当に最後の一局まで回りきれなかったらどうしようかと心配ばかりしていました。
また、参加者の皆さん、ちゃんとした大人な方ばかりで (当たり前ですが) とても安心しました。
事前にきちんと道も予習しているのでガイドする必要もなく、急な行程変更があってもまったく動じたりしません。

離島を熱心に回られている人の中には悪天候のせいで島に幽閉されてしまった経験の方もいるので、ある程度おおらかでないとやっていけないのかも知れません。

参加者の個性もさまざまで、いろいろとディープな情報を仕入れることもできたので大変楽しい一日を過ごさせていただきました。重ねて感謝いたします。


◆次回予告?
さて、今回の旅で燃え尽きてしまったので、次どうするのかということを考える余裕はありませんが、次回の予定としては、構想はほぼ決まっています。
以前にちょっとだけ取り上げたのに結局実行に移さなかった香川県の離島の攻略を実行します。

 香川の離島はわりと回られている方も多いと思いますが、私自身が全然手をつけていないことと、全島を隈無く行った人はなかなかいないであろうこと、香川県は離島さえ押さえればほぼ制圧したようなものです。あとは、芸術祭が始まると定期船に乗れないくらいに活況を呈するので、それまでに行っておきたいということもあります。

香川のチャーター業者は多いので、一日チャーターしても5万とかでいけるところが有るらしい・・・そうすると見積もりを入念にかけてみるのも楽しそうです。
それでは、また来年を楽しみにしていてください。

また、他に行きたいところとかありましたら検討してみますので具体的なプランをお待ちしています。


 
おわり




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